ツインズの前田健太投手(32)はタイガース戦に先発し、6回を投げ4安打3失点(自責3)、無四球の9奪三振だった。タイガースは4点を追う最終回、主砲カブレラがこの日2本目の3ラン本塁打を放って1点差に詰め寄ったが、ツインズは7―6で逃げ切った。これで今季6勝目(1敗)を挙げた前田は、今季最終登板で日米通算150勝を達成した。

 前田は初回、先頭レイエスに遊撃内野安打を許すも後続を断って無失点。2回以降もゾーンの中で変化するチェンジアップ、スライダーをテンポよく投げ分け、5回を投げ終えた時点で被安打1、無失点、球数65と危なげない投球をみせ、それが再三にわたる味方の好守にも繋がった。

 打線は3回、下位打線による3連打と内野ゴロで2点を先制すると、4回には6番ケイブの2ラン本塁打、5回には4番ロサリオの2ラン本塁打で6―0とリードを広げ、前田を援護した。

 ところが6回、前田の制球力にズレが生じ始める。先頭パレデスには抜けたスライダーを中前打されると、一死から2番ウィリー・カストロには8球粘られた末に真ん中にいったチェンジアップを左前打され、一死一、二塁のピンチを招き、ここでベンチがタイムをとって間を入れると同時にブルペンが動き始める。しかし前田は3番カブレラへに2球目、甘く入ったスライダーを左中間プルペンに運ばれる3ラン本塁打を浴びると、思わず天を仰いだ。

 この時点での球数は84で、続投となった前田は後続を連続三振に仕留めたが、6回だけで29球の計94球となり、ベンチに戻るとこの回限りでの降板を言い渡される。

 60試合制で臨んだ今季、前田は11試合に先発し6勝1敗、防御率2.70、66回2/3を投げ与四球10、被安打40、奪三振80をマーク。マエケンはすっかり新天地で「走者を出さない投手」という強烈な印象を放っている。1イニングに安打、または四死球で許す走者の割合を示すWHIPは両リーグトップの0.75。被打率.168は同5位となっている。

 前田の次回登板は29日に行われるプレーオフ第1戦が濃厚だ。