日本中が悲しみに包まれた。多くのヒット作に出演した女優の竹内結子さん(享年40)が27日未明、都内の自宅で亡くなった衝撃の波紋が広がっている。昨年2月に俳優の中林大樹(35)と再婚、今年1月には第2子となる男児を出産したばかりで、幸せに包まれているはずだったが…。なぜ自ら死を選んだのか。徹底追跡して浮かんできたのは――。

 関係者の話を総合すると、竹内さんは26日夜、中林と夕食をともにした後、自宅内の2階に向かったという。その後、中林が寝室に入ったところ、ウオークインクローゼット内でぐったりした状態の竹内さんを発見。27日午前2時前に119番通報。搬送先の病院で死亡が確認された。遺書は見つかっていないという。竹内さんの所属事務所は公式サイトで「あまりに突然の出来事で所属タレント、社員は驚きと悲しみで呆然としております」とのコメントを発表した。

 夫婦仲も良く、2人の子供に囲まれた幸せな生活――第三者からはこのように見えただろう。実際に芸能界からも「いったいなぜ?」という疑問の声が多数上がったほどだ。その一方で、一部からは「育児の大変さや今後の仕事について悩んでいたのではないか」という指摘もあった。

 芸能関係者は「結婚後、夫の中林さんは掃除など家事を率先してやるイクメンとして知られていた。ただ、二男を出産後は竹内さんも20代とは違う育児の大変さを改めて感じて悩んでいたそうです」。

 実際、発売中の女性誌「LEE」10月号のインタビューでは子育てについて、「わかっていたつもりでしたが、眠れないし、もらった風邪はなおらないし……。赤ちゃんのお世話は本当に大変ですね。育児の常識も長男のときとは変わっていることが多くて、育児雑誌で離乳食について調べたりしています」と苦労を明かしていた。

 ドラマや映画で演じる役では「元気な女」「強い女」というイメージだったが、実際の竹内さんはかなりナイーブだったようだ。「実は、2005年11月に長男を産んだときも、うつっぽい症状が頻発していた」と明かすのは、所属事務所関係者だ。

「出産と子育てで女優の仕事がなくなり、自分はいらなくなるんじゃないかという不安に駆られていた。自分より若い女優が現場でチヤホヤされているのを見るだけで、『もう私は過去の人。年老いた女の役しか来ない』と言い出すほど。でも、最近はそれも克服したはずだったんだが…」(前同)

 仕事にはストイックで、常に女優として自身の立ち位置を気にしていた。13年、ドラマ「ダンダリン 労働基準監督官」(日本テレビ系)に主演したときも、視聴率が振るわず、自身の評価を落としたのではと気をもんでいたという。

「昨年、とある芸能イベントで人気女性タレントと一緒になったとき、竹内さんサイドから『(そのタレントと)ちゃんと格の差が分かるようにして』という注文がつきました」(イベント関係者)という話もある。

 また持ち前のプロ意識の高さから、映画製作のスタッフからは「葛藤はあった」との証言も出ている。

「私生活では子供に愛情をそそぐ母親でありながら、最近は過酷で重い役が多かったこともあり、気持ちの切り替えについて『難しい…』とこぼすこともあった。プロ意識の高い竹内さんなので、もしかしたら〝女優〟と〝母親〟のはざまで悩みを抱えていたのかもしれません」(前同)

 ある映画の取材で「幸せそうな役は来ないのかな」と冗談を飛ばしていたこともあるというが…。

 最近では三浦春馬さん、芦名星さん、藤木孝さんに続く急死。竹内さんは真面目でナイーブだったからこそ、人知れず大きな悩みを抱えていたのだろう。