J1横浜FCの下平隆宏監督(48)が1日にオンラインで取材に応じ、今季のJ1で得点王を独走する〝怪物〟FWオルンガ(26)の来日秘話を明かした。

 今季のJ1でここまで17ゴールを量産し、旋風を巻き起こしているケニア代表ストライカーのオルンガ。実は日本に連れてきたのは下平監督だった。

 柏のGMを務めていた2018年に中国1部貴州智誠から完全移籍で獲得したが、最後まで迷った末の決断だったという。「こんな話をしていいのか分からないけど…」という下平監督は当時を振り返り「4人くらいFWの候補がいて、そこから選んだんだけど、本当は予算的にもうちょっと低い欧州の選手に行こうとした」と当初は他の候補で決まりかけていた。

 だが「最後までずっと気になっていた。アフリカ人でリーガ(スペイン)でもやっているし、なんか気になるなあと。何試合か映像で見て最終的に『こっちだ!』と決めた。金額的には高かったけど」と下平監督はビビッときた直感で獲得を決断した。

「来てもらったら性格もすごく良くて、ポジティブで人間性もすばらしい。これはうまくいけば当たるんじゃないかなと思った」との予想通りJリーグで大ブレーク。欧州からもオファーが舞い込むなど世界から注目されるストライカーに成長した。

 そんな因縁の相手と3日の柏戦で今季2度目の対戦。「そろそろ欧州に行ってればと思ったけどまだ行っていないので」と指揮官は冗談を交えながら警戒しつつも「前回対戦した時にうちの選手もしっかり勝てたし、今回もうまく止めることができれば守備陣は自信になる。本当に良い選手を止めて自信を深められるようにしたい」と怪物との対戦を通して横浜FCの選手が一皮むけることに期待を寄せた。