「氷点」などで知られる作家三浦綾子さんの「泥流地帯」が、22年公開を目指して、初めて映画化されることが7日、分かった。この日、MBSメディアホールディングス(大阪市)が全国の自治体、企業と組み、地域発のコンテンツ発信を目指して立ち上げた「Zipang」が発表した。

作品は1926年の十勝岳噴火を描いており、「Zipang」によると、同社はすでに、舞台となった北海道・上富良野町と連携協定を結んだという。

「泥流地帯」は、26年の十勝岳噴火を描く。噴火により起こった山津波が上富良野の開拓地を襲い、田畑も家族も失った兄弟は、もう1度、田に稲を実らせようと、復興に挑む。

映画制作へ向けて、同町は、企業版ふるさと納税の活用などによる制作費やロケ協力などの支援を行い、映画を通じて地方創生に努めていく。

上富良野町の向山富夫町長は「私たちが暮らす今の上富良野は、(作品の中で)主人公が思い描いた100年後の郷土の姿そのものです。郷土に寄せる熱い思いのもと、映画化は私たちにとって半世紀に渡る悲願であり、立派に復興をけん引された当時の吉田村長のごとく、どんな困難も乗り越え、成し遂げたいと思います」と決意のコメントを寄せた。

「Zipang」社は8月に設立。9月には千葉、長野、愛知、長崎の4市町からの協力を得て、映画「今はちょっと、ついてないだけ」の制作を発表している。