落語家・桂米団治(61)が14日、神戸市の神戸新開地・喜楽館で「米朝ウィーク 桂米朝五年祭特別公演」(11月2~8日)の発表会見に登場した。

 上方四天王の一人で2015年に亡くなった桂米朝さん(享年89)の死後5年を記念した同公演を、大阪市の朝日生命ホール、サンケイホールブリーゼ、天満天神繁昌亭で8月に開催してきた米朝一門。だが、喜楽館から「うちはまだやってません」と打診があり、米朝さんの誕生日である11月6日の週に喜楽館でも開催の運びとなった。

 喜楽館のある新開地は、神戸を代表する歓楽街の一つだ。米団治は当地での米朝さんとの思い出は落語以外はほとんどないというが、そこは個性派揃いの米朝一門。兄弟子との思い出を聞かれると「(新開地のすぐ隣の)福原のソー〇〇ンドのこと? 連れていってもらったことはありますけど、酔ってたから何もせずに帰りました」と笑った。

 一方で、落語には遊郭を舞台にした演目も多い。

「江戸落語でも吉原の遊郭の話も出てくる。単にソー〇〇ンドだとかキャバクラだとか排他するんじゃなくて、歓楽街全体は、男と女の時には怪しい、時には楽しい空間が醸し出されるんだよっていうのが文化なんですよ。だから、そういう華やぎで盛り上がるのはいいと思いますね」

 福原は平清盛が都を開いた場所であり、海側に行けば清盛の冥福を祈って建立されたとされる清盛塚もある。「この近くには清盛塚や楠木正成公を祭った湊川神社もある。落語を見てもらって、それらを歩いて回るツアーもいいんじゃないか。この辺りがかつて栄えた理由を考えたら、華やぎも戻ると思う」と、喜楽館での落語と歴史を重ね合わせることで、新開地の往年の輝きを取り戻したいと熱く語った。