広島・薮田和樹投手(28)が一軍生き残りを誓った。右鎖骨手術のため戦線離脱した野村祐輔投手(31)に代わって19日、マツダスタジアムで行われた投手練習に参加。先発予定の22日阪神戦(甲子園)に向けてキャッチボールやブルペン投球で汗を流し「(阪神は)勢いが付いたら止まらない打線。先頭をしっかり抑えて自分のペースで投げられるようにしたい」と意気込んだ。

 やっとめぐってきチャンスだ。今季は先発ローテ入りならずリリーフとして開幕。主にビハインドの展開を任されていたが、ローテの軸であるK・ジョンソン投手(36)が不振で二軍行きとなり、9月13日の阪神戦(甲子園)でブルペンデーの先発マウンドを託された。しかし、3回途中5失点(自責4)と予定されていた3回を全うできずに降板し、翌々日の15日に無念の二軍降格となった。

 失意の中、二軍では先発に専念した。「先発と中継ぎはまったく違う職業。中継ぎは一発をもらってはいけないポジション。そういう投球をしてカウント負けをして打たれたり、四球を出して返されたりするのが先発したときに目立った」との反省を活かし、ストライクゾーンで勝負することに徹して復調。13日のウエスタンリーグ・オリックス戦(由宇)では7回1失点と好投し一軍切符をつかみ取った。

「借金を一つでも返すという意識と来季につながるように投げたい」という薮田。17年に最高勝率のタイトルを手にした男の復活なるか。