ブランド総合研究所が14日に発表した「都道府県魅力度ランキング」で、栃木県が最下位に転落し、衝撃が広がっている。7年連続最下位が定位置だった茨城県が42位に浮上。代わって43位だった隣県の栃木が最下位となったのだ。

 栃木県のトップ・福田富一知事は「25位を目指していた」と意気消沈。栃木といえば世界遺産の日光東照宮があるほか、鬼怒川温泉、那須高原などの観光地を抱え、さらには宇都宮ぎょうざ、佐野ラーメン、とちおとめなどのグルメもある。

 首都圏からのアクセスは抜群。しかも、今年から東武グループが日光へのSL乗り入れを実現させるなど、さらなる魅力度アップに向け、大々的に観光キャンペーンに力を入れ始めた矢先だった。自治体や観光産業関係者にとっては、コロナとのダブルパンチで泣きっ面にハチの状態だ。

 茨城県は元経産官僚の大井川和彦知事(56)が観光客誘致に力を入れ、メディアなどにもこまめに情報発信するようになった。また、磯山さやか(36)、白石美帆(42)、お笑いコンビ「カミナリ」らが「秘密のケンミンSHOW極」(日本テレビ系)で、最下位をネタにアピールを続け、〝県民総出〟で魅力度アップに努力してきた。

 隣県のカミナリと常につばぜり合いを繰り広げながらも、どこか余裕の上から目線だった「U字工事」は「栃木が最下位なんておかしいべー!」と、20日放送の情報番組「グッとラック!」(TBS系)で声を上げた。

 同番組にぎょうざ形のマスクをつけて登場した益子卓郎(42)は「揚げ、焼き、水で」とぎょうざ通の注文法を披露すると、宇都宮郊外の大谷石の採石場を訪問。幻想的な雰囲気が好評で、米津玄師(29)、「B`z」、JuJu(44)らがミュージックビデオを撮影した「大谷資料館」を紹介した。同地には昨年、76万人が訪れた。

 2人は栃木弁漫才を武器に全国区にのし上がり、「U字工事の旅!発見」(とちぎテレビ)などで、地元の魅力を発信し続けている。福田薫(42)は「俺が悪いんかな」と責任を感じつつ「有名な観光地があるが、そこが栃木だと認識されてないのでは」と推測した。

 MCの落語家・立川志らく(57)は「魅力度ランキングが知名度ランキングになっている」と指摘。1位よりも最下位を取り上げる風潮に「大人はシャレが通じるけど子供は傷つくよ」とコメントした。

 さらに「このランキングは知名度だけで、本当の魅力は下位に詰まっていると思う。生まれも育ちも東京だけど、4位の東京なんて便利なだけで魅力なんて何もない。最下位でいい」と語った。