中日の「鉄壁リリーフトリオ」にニックネームが決まりそうだ。その名も「大福丸」。祖父江大輔投手(33)、福敬登投手(28)、R・マルティネス投手(24)の名前の一部を合わせてネーミングされたもので、ファンや選手の間で浸透し始めている。かつて阪神で一時代を築いた「JFK」に比べて和なテーストだが、野球ファン全般に定着するか注目を集めそうだ。

 この「大福丸」は、お笑いコンビ、ダイノジの大谷ノブ彦がDJを務めるCBCラジオの「ドラ魂キング」の中で、中日のリリーフトリオにも2005年から08年まで阪神投手陣を支えたJFK(ジェフ・ウィリアムス、藤川、久保田)のような誰もがわかるようなニックネームが欲しいということで生まれた。

 当初は「もっとカッコいい名前のほうがいいのではないか」という意見もあったが、愛嬌のあるネーミングにファンの間からは「個人的にはちょっと好きかも」「もっと浸透してほしい」という声が高くなり徐々に定着。14日の阪神戦でエース・大野雄が完封勝利を挙げた後に「後ろの3人の登板が増えているので、何とか『大福丸』を休ませようと思って投げました」とコメント。すっかり中日ナインの間でもおなじみとなり、地元のスポーツ番組でもこの名称が使われるようになった。

 8年ぶりのAクラスが見えてきたのも、6回終了時でリードしていた試合は37連勝と圧倒的な安定感を誇る「大福丸」の活躍があればこそだ。残念ながらR・マルティネスは体幹のコンディション不良のため21日に出場選手登録を抹消されたものの、25日のヤクルト戦(神宮)は先発の柳が7回途中無失点で降板後、谷元を挟んで福―祖父江の〝大福リレー〟で逃げ切った。

 リーグ2位の21セーブをマークしている助っ人守護神R・マルティネスは今年からの2年契約を結んでおり、来季も福、祖父江とのトリオでリリーフ陣の中心となるのは間違いない。

 与田監督は「スタッフの頑張りでいい数字というのは1つでも増えればいい。そこは皆さんで評価していただければありがたいなと思います」と言う。球団関係者も「後ろの3人はもっと評価されてほしいし、話題になってほしい」と願うほどで「大福丸」への期待は高まるばかりだ。