苦労人が幕内の舞台へ戻ってきた。大相撲11月場所(11月8日初日、東京・両国国技館)を控えた31日、再入幕の千代の国(30=九重)が東京・墨田区の部屋で稽古を行った。この日は四股やテッポウなどの基礎運動で調整した。

 2012年初場所で新入幕。14年秋場所で両ヒザの半月板を損傷し、三段目まで番付を落とした。その後に幕内復帰を果たしたが、昨年初場所で左ヒザを痛めて再び幕下へ転落した。幕内→幕下以下→幕内を2回経験するのは史上3人目。不屈の闘志でよみがえった。

 千代の国は「つらいことはあったけど、やめたいと思ったこともないです。(関取の地位から陥落して)給料のないときにでも、卵を送ってくれたりとか、いろんな物を送ってくれたりする方がたくさんいた。やっぱりその分、結果を出して恩返ししなければとは、ずっと思っていましたね」と周囲のサポートに感謝した。

 今後の目標については「やっぱり上がったことのないステージに行きたい。まずは三役(関脇、小結)に上がってみたいですね」と意気込んだ。