青木崇高(40)と宮藤官九郎(50)が3日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催中の、東京国際映画祭で上映された映画「おらおらでひとりいぐも」(沖田修一監督、6日公開)の質疑応答に登壇し、同作で15年ぶりに主演した田中裕子(65)と共演しての思いを語った。

「おらおらでひとりいぐも」(沖田修一監督、6日公開)は、55歳で夫を亡くした後、主婦業の傍ら執筆を始め63歳でデビューした作家・若竹千佐子氏の芥川賞受賞作の映画化作品。田中は劇中で東京オリンピックが開催された1964年(昭39)に上京し、結婚して子供を育て、夫と2人の平穏な日常になると思っていた55年後、夫に突然先立たれ、75歳で孤独な1人暮らしの日々を送ることになった桃子を演じた。

一方、青木、宮藤は浜田岳(32)と3人で、ある時から桃子の内から外に出た心の声“寂しさ”を演じた。心の声を擬人化した3人が、桃子の周りを動き回り、騒ぐ姿で桃子の内心を描くシーンは、映画の大きな見どころだ。

宮藤は、田中との共演について聞かれ「昔からドラマや映画で見ていた女優さんなので、緊張していたんですけど、セットに入ると桃子さんがいる状況。衣装も同じですので、4人組みたいな気持ちになりました」と田中が役の桃子として現場にたたずんでいた様子を説明。青木も「(共演と聞き)あぁ…田中裕子だと思ったけれど(現場では、田中が)おこたに入ったりメザシかじったり…たたずまいが桃子さん」と言い、笑みを浮かべた。

質疑応答の前に、田中との座談会を行ったという。宮藤が「この前に座談会があったんですが、その時が一番、田中裕子だと思った」と笑いながら振り返ると、青木は「カジュアルな格好をされていました」と田中の服装を語った。沖田修一監督(43)は「本当に普段着なので、田中裕子さんだと思いました」と笑った。