またも〝空位〟に? 大相撲11月場所(8日初日、東京・両国国技館)を控えて、両横綱の出場が微妙な状況になっている。

 8月に右ヒザの内視鏡手術を受け、9月の秋場所を全休した白鵬(35=宮城野)について、師匠の宮城野親方(63=元幕内竹葉山)は「普通通りやっている。(相撲を取る稽古は)関取衆とも2、3回やりましたし」と近況を説明。白鵬は先月16日から22日まで国技館内の相撲教習所で行われた合同稽古に参加し、新大関正代(28=時津風)らと相撲を取るなど精力的に汗を流した。体重も増量したとみられる。

 この11月場所に向けて明るい材料が多いが、出場できるかどうかは別問題。宮城野親方は「それ(右ヒザ)が完全に治ってるかはちょっと分からない。病院で検査してみないと。なんぼこっち側がいいと言っても、まだ今の状態じゃダメって言われる可能性もあるから」とあくまで慎重な姿勢を貫いている。続けて「もう年も年だから、ある程度古傷とかそういうものは完璧に治していかないと。今の状態で中途半端に出てまたケガなんてなったら困るから」と話し、優勝44回の大横綱に〝ムチャぶり〟をするつもりはなさそうだ。

 鶴竜(35=陸奥)も右ヒジの故障や持病の腰痛が影響し、思い通りの稽古ができていないという。このタイミングで相撲も取っておらず「まだ足りてないって感じですかね」とポツリ。直近6場所で5度の休場と横綱の務めを果たせていないが「調整は自分のペースで? そうですね。出たときにちゃんと結果出さなきゃいけないですからね」と、出場は厳しい状態だ。

 先場所に続いて両横綱休場となれば、周囲からの風当たりは一層強まりそうだが…。新型コロナウイルス禍で角界全体が試練にある中、大黒柱が土俵に立つ姿は見られるのだろうか。