【昭和~平成 スター列伝】「ウルトラセブン」の4Kリマスター版が9月末からNHK・BS4Kで放送され、特撮ファンの間で話題になっている。セブンや怪しげな宇宙人はもちろん、ウルトラ警備隊のメンバー、とりわけアンヌ隊員がこれまで以上に鮮明な画像で見られるのはうれしい。

 ウルトラセブンは1967年10月から約1年にわたって放送された。アンヌ隊員を演じたのはひし美ゆり子(当時は菱見百合子)。20~21歳にかけての時期だったが、衣装がピッタリしすぎていて何やらセクシーなものに。当初は別の女優が演じる予定だったが、急きょ変更となったためサイズ合わせが間に合わなかったのだ。

 その5年後の73年9月、26歳の時に東スポ本社を訪れた。「プレイガール」に出演し、宇宙人ではなく、人間の悪党どもを“お色気殺法”で懲らしめていたころだ。セクシーさにさらに磨きがかかっており、9月6日発行紙面に掲載されたインタビュー記事では「掛け値なしの美女グラマー」と評している。

 プレイガールでは入浴シーンなどで男性の目を楽しませたが、本人は「わたしたちって、わりとモテないのよ。仕事が忙しくてボーイフレンドもつくれない!なんてキザなことはいわないけれども」と謙遜してみせた。

 さらに5年後の78年7月、31歳の時にも本紙はインタビューしている。5年前とは明らかに雰囲気が違う。それもそのはず、75年に4歳年下の男性と結婚し、男児をもうけたのだ。それだけではない。

 当時の記事によると「女優の他に東京・銀座でパブバーを経営、連夜、ママとしてご出勤。『家庭にジッとしているなんて耐えられない。忙しいことが大好きなの。男みたいね。私って。銀座のお店だって“やろう”と決心して二週間でオープンさせちゃったの』。さらに東京・河田町のフジテレビ近くには雀荘も経営している。女優であり、妻であり、母であり、経営者…四つの顔を持つ女――。そしてそれぞれうまくやっているのだから恐れ入る」。ウルトラセブンから10年。ひし美はしっかりと地に足をつけて人生を歩んでいた。