ボクシングの角海老宝石ジムは12日、同ジムに所属する前日本ヘビー級王者の藤本京太郎(34)が同日付でライセンスを返上し、プロボクシングから引退すると発表した。

 同ジムは引退の理由として、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で海外遠征や外国人選手の招へいが難しく、国内における試合ではヘビー級選手の不足から試合が成立しないことと同時に、ボクシング業界の現行ルールでは、K―1出身の藤本が「二刀流」でK―1などの舞台に立つことが不可能となっていることを挙げている。

 そのため、今回ライセンスを一度返上し、再びK―1をはじめとする総合格闘技に挑戦することを決めた。ただ、同ジムでは「後に国内外問わずプロボクシング業界で試合となった際には、改めてライセンス所得申請しプロボクサー復帰とさせていただきます」とし、情勢が改善された場合はボクサー復帰の可能性があることを示した。

 そのうえで「藤本京太郎の今回の決断・行動により現行ルール改定がなされ、選手不足で試合開催に影響が出ている階級(軽量級・中重量級)および、プロボクシング界のさらなる活性化につながれば幸いです」とコメントしている。

 藤本は2009年3月に行われた「K―1 WORLD GP」の第2代ヘビー級王者決定トーナメントで優勝し、日本人選手として初めてK―1の重量級王者となった。11年にはボクシングに転向。13年7月には日本ヘビー級王座を獲得し、3度の防衛も果たした。17年1月には同級東洋太平洋王座決定戦で勝っている。通算23戦21勝(13KO)2敗。