10年ぶりに立ち技格闘技イベント「K―1」に復帰する藤本京太郎(34)が、ボクシングとのダブル世界王者を目指すと明かした。12日付で日本ボクシングコミッション(JBC)に引退届を提出し、来年1月24日に行われるK―1の年間最大イベント「K’FESTA.4」(東京・国立代々木競技場第一体育館)への参戦が決定。ジャンルをまたぐ前代未聞の2冠王への青写真とは――。

 復帰が決まり、会見に臨んだ京太郎は「K―1には、遊びに来たと思っています。でも遊びでも真剣に取り組まないと成功しないんで」と独特の表現で意気込み、コミカルな衣装と軽妙なトークで笑いをさらった。その目が真剣になったのは、ボクシングについて問われた時だ。「両方できるのが夢なので、そういうふうに動きたい」と二刀流構想をぶち上げた。

 京太郎は2009年3月の「K―1 WORLD GP」の第2代ヘビー級王者決定トーナメントで優勝し、日本人選手として初めてK―1の重量級王者となった。11年にボクシングへ転向するとヘビー級で13年に日本王座、17年にOPBF東洋太平洋王座、WBOアジアパシフィック王座を獲得した。

 今回のK―1復帰に際し、ボクシングライセンスを返上して引退の形となったが「ルール上、一度そういう形にしないといけないので返上しましたが、またライセンス取得申請をするつもりです。次はK―1に所属したまま? そういうことです。K―1にもそれを理解してもらったから、復帰しました。同時に両方で世界王者になるのが最大の目標です」と本紙に明かした。

 そこまでして二刀流を目指す理由は何か。「将来子供に関わる仕事をしたいんですけど、子供には選択肢が多い方がいいと思うんです。格闘技でもK―1とボクシングを両方できる選択肢があった方がいい。その両方でチャンピオンになった自分がそのために動けると思ったので」

 会見では「最後いい感じで格闘技を終われたらいいなと思います」と話したが、もちろん引退する気などない。「ヘビー級は選手寿命が長いし、自分自身ケガとか全くないんで。まずはK―1で3年以内に世界王者。そして、40歳までにボクシングでK―1王者のまま世界挑戦したい」と力強く宣言。K―1が新体制となってから軽量級に話題性で負けるヘビー級だが、どうやら風向きが変わりそうだ。