大みそかの「RIZIN.26」(さいたまスーパーアリーナ)で総合格闘技デビューする2016年リオ五輪レスリング男子グレコローマン59キロ級銀メダルの太田忍(26)に〝実戦式〟の英才教育が施される。

 本紙昨報通り大阪城大会のリングに上がった太田は、ベテランの所英男(43)と対戦することが発表され「僕自身、本当に好きな選手なので戸惑いもありましたが、試合になると別なのでしっかり準備したいです。負けるつもりはないです」と力を込めた。

 対戦相手に格闘技の酸いも甘いも経験した所が選ばれたのは深い意味がある。榊原CEOは「日本の総合格闘技、いわゆる〝J―MMA〟の遺伝子というか、プロとしてのDNAを太田忍に受け継いでもらいたい。日本の格闘技界を背負って立つ逸材だから、それを感じてもらうために組みました」と説明する。長くアマチュア競技の世界で戦ってきた太田にプロの神髄を注入しようというわけだ。

 太田は12月には27歳になるだけに、榊原CEOは「実戦を重ねる中で自分の中に取り入れてもらう」と試合で育てる意向で「今後も太田忍が成長できる相手を選びたい。所のようなベテランはもちろん、打撃の対応を学ぶために立ち技が得意な選手とか。試合で英才教育? そういうこと」と育成方針を示した。

 順調に成長が見られれば、再来年には太田の階級でバンタム級GPが開催される可能性も浮上している。メダリストのチャレンジに、日本格闘技界の未来が託された。