俳優の長谷川博己さん主演のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」(総合、日曜午後8時ほか)第33回「比叡山に棲(す)む魔物」が11月22日に放送され、春風亭小朝さん演じる覚恕(かくじょ)が初登場。おのれの見た目の醜さに始まり、美しい兄・正親町(おおぎまち)天皇(坂東玉三郎さん)への嫉妬、金と権力への執着、そして、自分から領地や金を奪った織田信長(染谷将太さん)に対する怒りを交えた、3分半にもおよぶ一人語りに視聴者の注目が集まった。
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第33回は、四方を敵に囲まれ窮地に立たされる信長。光秀(長谷川さん)は朝倉に和議を申し込むべく比叡山に陣を構える義景(ユースケ・サンタマリアさん)の元へ潜入。義景が頼る延暦寺の天台座主・覚恕と面会するが、覚恕は信長を許さないと言い放つ。「あの都はわしの都じゃ。返せ! 返せ! 返せ! わしに返せ!」と……。
SNSでは「盛大にこじらせてる」「『この通り、見た目も醜い』と言わせる脚本家w」「嫉妬の塊」「金と権力の亡者感がすさまじい」などと視聴者は反応。さらには「これこそ怪演」「さすが小朝師匠。落語家だけあって話がめちゃ上手いなぁ」「私怨を語る小朝は落語家ならではの名演」「さすがは落語家、すげーわ、小朝さん」「マジでこんなにうまかったっけ?」といった感想も並んだ。
同回の演出担当・一色隆司さんは、「今回、覚恕役で小朝さんが出演くださいましたが、せりふがどんなに走ろうとも、感情がどんなに高ぶろうとも、全ての言葉がはっきり聞き取れるのには、本当に舌を巻きました。滑舌も完璧だし、気持ちの流れを伝えれば、言葉は自由自在で、すごいの一言でした」と振り返る。
「覚恕と帝(正親町天皇)が兄弟に見えなければ、というところで、覚恕には高貴さも求めましたし、光と闇という印象を作るために、昼と夜という設定以外にも帝と東庵(堺正章さん)のシーンは静かに進め、覚恕と光秀のシーンは、クローズアップを多用した激情のシーンとなるように意識しました」と告白。「小朝さんと(摂津晴門役の)片岡鶴太郎さんとのシーンは、撮影中ずっと撮れたものをモニターでチェックする度に『悪よのぉ~』とお二人で笑っていらしたのが印象的でした」と語った。
「麒麟がくる」は59作目の大河ドラマ。1991年放送の「太平記」などで知られる池端さんのオリジナル作。ドラマでは謎めいた明智光秀の前半生にも光を当て、戦国の英傑たちの運命も描く、エネルギッシュな群像劇となっている。
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