シンガー・ソングライターのさだまさし(68)が翻訳を手掛けた絵本「カカ・ムラド~ナカムラのおじさん」(双葉社)が4日、発売される。

同書は、アフガニスタンで医療支援、農業用水建設などの活動を続けてきた日本人医師の中村哲さんのこれまでの功績をまとめたもの。中村さんが凶弾に倒れて1年、その遺志を後世に伝えるためにアフガニスタンで制作された2作の絵本に解説を加え、1冊にまとめた。

さだは、収録作品のうち1作を翻訳した。一般財団法人「風に立つライオン基金」を設立し、さまざまな助成事業や被災地支援事業を続けているさだは、生前直接対面することはかなわなかった中村さんの活動を尊敬。今年5月に発表したアルバム「存在理由~Raisond'■tre~」には、手紙を書くつもりでつづったという追悼曲「ひと粒の麦~Moment~」を収録している。

さだは「地元の人々から愛されていた中村哲医師を、アフガニスタンのバシール・モハバット駐日大使は僕に『天使でした』と表現しました。『天使のような』ではなく『天使でした』と言い切られたのです。この一言からも中村先生の『志』と『真情』が伝わります」と話す。

絵本の完成にあたり、「先生を慕うアフガニスタンの人々の真心のこもった絵本『カカ・ムラドと魔法の小箱』の翻訳を任せていただいたことに感謝します。この偉大な魂をずっと伝えていきたいと思います」とコメントした。

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