日本で唯一の新人監督賞「新藤兼人賞2020」第25回授賞式が都内で開催。世界三大映画祭の一つ「第69回ベルリン国際映画祭」で史上初となるW受賞を獲得した長編映画「37セカンズ」の監督、HIKARI氏が金賞に選ばれた。

「新藤兼人賞」は日本映画製作者協会に所属するプロデューサーが「この監督と組んで仕事をしてみたい」「今後この監督に映画を作らせてみたい」という観点からその年度で最も優れた新人監督を選ぶ。過去の受賞者には、是枝裕和監督(58)や脚本家としても活躍する宮藤官九郎監督(50)らがいる。

「37セカンズ」は身体に障害を持った少女が漫画家のゴーストライターから一人の漫画家へと成長していく日々を描いた作品。審査委員から「頭一つ抜けた作品」と好評を得たHIKARI監督は涙ぐんだ様子で「この度はこんなに素晴らしい賞をいただいて感無量です」と感謝を述べた。

 オーディションを勝ち抜き主人公に選ばれた佳山明(26)は脳性まひを患っている。HIKARI監督は「彼女に出会ってからたくさんの方に支えていただいた。女性監督初長編映画、主人公は演技をしたことがない、そして障害を持っている。断られることもたくさんありましたが、自分を信じて、この作品を信じてくれた方々の力でこの作品が出来上がった。そのありがたさ、重みを感じております」と語り、最後に「日本の作品を世界にどんどん出していけるように力を合わせて頑張っていきたいと思います」と締めくくった。