新日本プロレス「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」は11日日本武道館大会で優勝決定戦が行われ、高橋ヒロム(31)がエル・デスペラードを破り、2年ぶり2度目の優勝を果たした。

「光と影」のライバル対決は、ドラマティックな展開が待っていた。掟破りのナックルを見舞ったヒロムがマスクを破ると、デスペラードはなんと自ら素顔をさらし〝同期〟として激しい殴り合いを展開する。

 互いに譲らない一進一退の攻防からピンチェ・ロコを狙われたヒロムだったが、これを回避しコーナーの金具めがけてデスバレーボムを発射。TIME BOMBはカウント2で返されたものの、最後はビクトリーロイヤルからのTIME BOMBⅡで大激闘に終止符を打った。試合後のリング上では「引退するまで、お前とやり続ける。そんな気がする。ワクワクするだろ? 今日は俺の勝ちだ。またやろうぜ」と特別な相手にメッセージを送った。

 出場10選手の頂点に立ちIWGPジュニアヘビー級王者・石森太二(37)への挑戦を主張する権利を得たヒロムだが「石森の前にやらないと心がモヤモヤしてしまう、そんな相手がいるんだ。オイ、アメリカ!『スーパーJカップ』(13日配信)優勝者! この俺と戦え!」と日米覇者同士の一戦を提唱。年間最大興行(1月4、5日、東京ドーム)での実現が浮上した。

 今年1月に獣神サンダー・ライガーの引退試合の相手を務め、ジュニア新時代を託された。BOSJでも圧倒的存在感を放ち、期待に応えて頂点に立った。それでもヒロムは「ジュニアの顔以上を目指してるんだ。俺は新日本プロレスで一番になる。ジュニアをさらに上に上げる。誰も行けなかった位置まで、俺は行ってやる。誰がなんと言おうと、俺は諦めない。そうやって夢見てきたんだよ」と、さらなる高みを目指すことを宣言した。

 一方で敗れたデスペラードは素顔のままコメントブースに現れ「チクショウ、俺の同期、最強だろう? でもな、リング上にはな、高橋ヒロムとエル・デスペラードしかいなかったよ、今日は」。コロナ禍による中止危機を乗り越えて開催されたジュニア新時代元年のBOSJは、唯一無二のライバル同士が繰り広げた魂の激闘によって、ファンの記憶に刻まれる大会となった。