今月7日午前に肝細胞がんのため亡くなった小松政夫さん(享年78)にタレントなべおさみ(81)が所属事務所を通じて「惜別の記」と題した追悼文を発表した。

 

ー惜別の記ー

 

「なべ、俺の運転手も頼むわ!」

頼んだ人が日の出の勢いで喜劇界に飛び出て来ていた、植木等さんでした。

私が5月1日付で渡辺プロ所属のタレントとなったため、今ましていたハナ肇の付人の後任を私が探す事になった。

「おやじさん、『週間平凡』さんで載せてくださるので、付人募集を出させて頂きます」

師匠(ハナ)に報告中、植木さんがおっしゃったのだ。

「おう! 見つけてやれ!」

人気の出ていたクレージー・キャッツだったから応募はすごい数で、書類審査で30を選び私が事務所で面接した。

ハナ肇の運転手兼付人 1名

植木等の運転手兼付人 1名

そうして取ったのが小松ちゃん、あんただったよね。

あれは東京五輪を控えた、燃えていた昭和39年でしたね。あなたは植木さんにつくして、3年で卒業し、立派な喜劇人として芯を吹かせましたね。初めて面接で会った時、あなたなら植木さんを預けて大丈夫だと思ったです。しっかり実社会でみがかれていましたから。

「なべ! いいやつ探してくれたな!」

植木さんも喜んでましたからね。

私、偶然か、今、年賀状の切手貼ったとこでした。で、小松ちゃん、私、出しますよ、出しちゃいます。どうかゆっくり休んで下さい。

また、会おうね!

    なべ おさみ

     2020.12.11

小松政夫様