劇団新派の水谷八重子(81)波乃久里子(75)らが出演し13日、東京・新橋演舞場で、新派朗読劇場「女の決闘」が上演された。

恋をめぐってけんか別れした女同士が、50年近く後に再会する物語。

終演後、水谷、波乃、演出を手掛けたプロデューサーで、これまでも新派に数多く携わってきた石井ふく子氏(94)のアフタートークが行われた。

波乃が、石井氏について「演出の時は鬼のように怖い。父(=17代目中村勘三郎)も鬼ふく! と言って怒ってました」と笑わせると、石井氏は「夢中でした」と振り返った。

今年の劇団新派公演は、新型コロナウイルス感染拡大のため、2月下旬に同劇場で行われた公演が途中終了してしまった。

水谷が「エネルギーはお客様からいただいています」と言うと、波乃も「演舞場は10カ月ぶり。今日、大ゼリから上がる時、新人女優のように震えました。涙が出るほどうれしかった」と話した。

石井氏は2人に「これからも新派のためにもっと頑張ってね」とエールを送り、観客も大きな拍手で後押しした。