コンビ結成45年の大御所漫才コンビ「オール阪神・巨人」は昨年、コンビとしては初となる楽曲「誠!! 浪花の晴れ姿」を配信した。45周年の記念に「喝采」「北酒場」で有名で、昨年暮れに亡くなった中村泰士氏に作ってもらったという。早くも紅白出場も口にする2人に楽曲への思いとともに、45年の芸能人生を振り返ってもらった。


【結成45年!オール阪神・巨人インタビュー(1)】
 
 ――コンビ初となる楽曲「誠!! 浪花の晴れ姿」を配信

 巨人 配信やから、まだ反響聞かへんね(笑い)。最初、僕ひとりで歌うつもりやったんですけど、2人で歌えるなと思って、中村先生に聞いたら「好きにしたらええやんか」と言ってくれて、2人でレコーディングしました。

 阪神 でも、レコーディングで僕が歌ったら、しーんとして「阪神君、もうええわ」って。音程がむちゃくちゃ外れてたみたい。苦肉の策で、合いの手になりました(笑い)。車の中では歌えるのにな。相方はやっぱり歌うまいなって痛感しました。

 ――漫才と歌では緊張感や気分も違う

 巨人 僕は歌が好きやし、人前でも楽しく歌ってますけど、阪神君はどうやろ。一緒に歌うのはこれが最初で最後かも。阪神君がイヤや言うと思う。

 阪神 モノマネしながら歌ったら音程外れへんのにな(笑い)。

 ――歌詞には2人の漫才人生が込められている

 巨人 先生にいろいろ変えてもらいました。

 阪神 普通の歌手は「歌詞変えて」なんて言われへんやろうけどね。

 巨人「そんなこと言うのん巨人さんだけや」って言われましたけど、せっかくやからね。僕ら漫才師やから言葉を大事にしたいんですよ。難しい言葉やなく聞いたらすぐわかるようなね。作詞にも興味あります。楽器はでけへんけど、歌詞はめっちゃ出てくるし書ける自信がある。若い時に書いてたんですけど、ノートなくしてね。また書きたいと思ってます。印税も高いしね(笑い)。

 阪神 ええ歌ですよ。紅白行くんちゃうかな。

 巨人 紅白で歌えたら気持ちいいでしょうね。出れたら芸人辞めてもええな。

 阪神 それは困りますな(笑い)。


 ☆おーるはんしん・きょじん アマチュア時代から知り合いだった南出繁(みなみで・しげる=オール巨人=1951年11月16日生まれ、大阪市出身)と高田昭憲(たかた・あきのり=オール阪神=1957年3月7日生まれ、大阪府泉大津市出身)が岡八郎に弟子入りし、1975年に結成。早くから頭角を現し、史上最多となる4度の上方漫才大賞受賞など各賞を総なめ。2019年には紫綬褒章を受章。上方漫才界のレジェンドとして現在も活躍している。