巨人のキャプテン坂本勇人内野手(32)が日本一へ向けて全集中だ。昨季通算2000安打を達成したGの主将はキャンプインを前に「打ちまくりたい」と目を輝かせ、グラウンド外でもオフ返上で〝野球漬け〟状態になっているという。

 坂本は湯浅、増田ら若手内野手を伴って自主トレに励んでいる。負荷の高いメニューをこなしており、15日のオンライン取材では「年齢的にもそうですし、この期間、しっかり自分を追い込める時期なので追い込みたい」と力強く話した。

 昨年12月に自主トレをともにした日本ハムの西川遥輝外野手(28)から跳躍系の瞬発力強化トレーニングを取り入れるなど貪欲だ。日本一奪取に欠かせないエース菅野の残留も決まり「チームにとって本当に良かった。今、日本で一番の選手だと思っているので、そういう選手が同じユニホームを着てまたプレーできるというのは、すごく喜びは大きいですね」と気持ちも高まっている。

 キャプテン就任から7年目となるが、その間に日本一を達成できていない。ここ2年間はリーグ連覇を達成しながら、ソフトバンクとの日本シリーズでは2年連続で4連敗を喫した。雪辱に向けて「打ちまくりたいですね。そのために強い体をつくりたい。例年よりしんどいなと思いながらやっている」と言う。

 そんな坂本について同僚の丸が「意外だった」と証言するのがグラウンド外での野球に取り組む姿勢だ。スマートな天才型とのイメージから「オンオフがあって野球の時にガッと集中するタイプかなと思っていた」が、実際には「オフの時でも『これは野球につながるかどうか』『やっておいたら、自分のためになるか』とか、そういうのをすごく考えながらやっているなと(巨人に)入って思いましたね。常に野球のことを考えている」と驚いたそうだ。

 真摯に野球と向き合っていても、昨季は不運に見舞われた。春季キャンプ中にインフルエンザに感染し、6月の開幕直前には無症状ながら新型コロナウイルス陽性となって入院生活を送った。坂本にも忸怩(じくじ)たる思いがあり「去年の前半戦は全然打てなかった。スタートダッシュというのは、いい状態で入れればいい結果も出てくれる。コンディションの部分でいい状態でシーズンに入りたい」との思いも強い。

 チームリーダーとして2年連続で出遅れるワケにはいかない。体調管理にも全集中し、開幕から〝鬼打ち〟できるか注目だ。