大宮競輪東日本発祥72周年記念(GⅢ・倉茂記念杯)は最終日(17日)に決勝戦が争われ、逃げた森田優弥(22=埼玉)の番手から自力に転じた平原康多(38=埼玉)が後続を振り切って歓喜のV。先日の立川に続く通算26回目のGⅢ制覇で、大宮記念は2年連続8回目の優勝となった。 

 これぞエースという堂々の立ち回りで地元記念連覇を成し遂げた。決勝は準決同様に森田に前を託した。「彼はレースも上手だし〝競輪〟をやってくれる」と全面的に信頼する後輩がしっかり主導権を奪取。「良いポイントで仕掛けてくれたし簡単には(別線は)来られないと思ったけど、清水(裕友)がさすがでしたね。良い勢いで来たので、さばくヒマがなく…。判断をちゅうちょすると結果がガラッと変わるので」。森田を残したい気持ちもあったが、心を鬼にしてタテに踏み込んだ。

 これで年頭の立川記念に続いてのGⅢ連覇。その背景には昨年末に脇本雄太とGPで連係した影響が大きいようだ。「ワッキーと走って、考える部分や見つかった部分があった。それが立川、今回といい結果につながっていると思います」。輪界トップの先行選手との連係が強い平原をさらに進化させた。
 
 毎年「自分は大宮記念が終わるとやっと正月になる(笑い)」と話すように、今回の年末年始もグランプリ、立川記念、大宮記念と、ノンストップで駆け抜けた。「これでやっと少し(次走まで)空くので。一回気持ちをオフにして、また頑張りたい。まずは全日本選抜(GⅠ・川崎=2月20~23日)ですね。一戦一戦を大事に戦って、その結果また年末にグランプリの舞台に立てればと思います」。昨年末のグランプリを経て一段とスゴ味が増した平原の快進撃は、まだまだ止まりそうにない。