新日本プロレス30日愛知県体育館大会で行われたNEVER無差別級選手権は、挑戦者の棚橋弘至(44)が鷹木信悟(38)を破り、第32代王者に輝いた。

 低空ドロップキックやドラゴンスクリューを駆使して鷹木の左ヒザに集中攻撃を浴びせていった棚橋は、場外へのハイフライフローも発射し、ベルト奪取への執念をのぞかせる。25分過ぎにはダルマ式ジャーマン、スリングブレイドで攻勢に出たが、ハイフライアタックをキャッチされデスバレーボムで切り返されるなど、一進一退の攻防が続く。

 譲らない両雄は壮絶な意地の張り合いを展開。スリングブレイドを鷹木がカウント1で返せば、棚橋もパンピングボンバーをカウント1でキックアウト。ラリアートの相打ちから棚橋は張り手を見舞うが、鷹木の龍魂ラリアートでダウンを喫してしまう。

 それでも棚橋はラスト・オブ・ザ・ドラゴンをスリングブレイドで切り返しハイフライアタックを敢行。ロープ際に逃れようとする鷹木にドラゴンスープレックスホールドを決める。これをカウント2で返されると、再びコーナーポストを駆け上がり、渾身のハイフライフローで大激戦に終止符を打った。

 2019年2月にIWGPヘビー級王座を失って以来、約2年ぶりにシングルベルトを獲得した棚橋は「こういう状況下で、俺自身が弱気になってる部分もありましたが、鷹木選手に教わりました。プロレスラーは、いついかなる時も、胸を張って前に進んでいきます。今日は本当にありがとうございました」とマイクアピール。だが、歓喜のエアギターから「じゃあ最後に! 愛知の皆さん! 愛して…」と決めゼリフで締めくくろうとしたその瞬間、なんと背後からグレート―O―カーンに急襲されてしまう。エリミネーター(アイアンクロースラム)で完全KOされ、1・4東京ドーム大会の雪辱戦を要求された。

 場内が騒然とする中、ダメージの大きい棚橋はセコンドの肩を借りて退場し、ノーコメントで会場を後にした。激闘を制しNEVER初戴冠を果たした喜びもつかの間、早くも因縁のV1戦が浮上した。