阪神春季キャンプ(沖縄・宜野座)に臨時コーチとして参加している川相昌弘氏(56)が3日、投手陣を前にバント指導を行った。

 ゲームの勝敗を大きく左右する投手陣のバント技術の重要性は矢野監督も強く意識するところ。NPB記録の現役通算533犠打をマークした名手・川相氏は何度も〝実演〟を挟みながら、犠打の神髄を虎投たちへ惜しみなく伝授した。

 だが、永遠のライバルでもある巨人OBの川相氏が阪神の選手たちの指導に当たる姿に違和感を覚える虎OBも多いようだ。この日、スカイA「猛虎キャンプリポート2021」に出演した中田良弘氏(61)は「なんかね、複雑なんですよ。阪神が巨人にいた人を呼んで臨時コーチとなると…。昔だったらちょっと考えられない。私が現役のころは『巨人だったら絶対倒す』というイメージしかありませんでしたからね」と率直な心境を吐露。

 元タテジマ戦士として、様々な思いもあるようだ。それでも同氏は「今は時代的にも変わったんでしょうね。ピッチャーのバントが成功するか否かはゲームの流れを特に左右する。記録保持者でもある川相さんからいいものを吸収してくれれば」と川相氏の手腕に期待を寄せた。