東京五輪までに完全復活できるのか。男子テニスで世界ランキング41位の錦織圭(31=日清食品)は団体戦「ATPカップ」(6日、オーストラリア・メルボルン)1次リーグ最終戦(対アルゼンチン)の第2試合に登場し、世界9位のディエゴ・シュワルツマン(28)に1―6、7―6(7―4)、0―6で敗れた。

 錦織は2019年9月に左ヒジの手術を受けた後、新型コロナウイル感染拡大で中断していた昨季ツアーの再開に合わせ、昨年8月に復帰する予定だったが、自身がコロナに感染。同9月にようやく実戦復帰を果たした。しかし、昨年10月の全仏オープン2回戦で右肩を痛め再び戦線離脱。今回のATPカップでようやく復帰を果たした。

 その初戦は世界4位のダニル・メドベージェフ(24=ロシア)に2―6、4―6でストレート負け。復帰2戦目となった今回も世界9位と実力者との対戦だったとはいえ、見せ場も少ないままの敗戦で連敗となり、先行きに不安は隠せない。

 元プロテニス選手で試合を中継した「Abema TV」で解説を務めた松岡修造氏(53)は錦織の復活について「東京五輪までかかるかもしれない。本調子になるには五輪も危うい」とし「サービスは進化したが(万全になるには)そのくらい時間がかかる。ケガによるオフがあまりにも長すぎた」と言う。

 試合中も、2週間の隔離があったことを含めて、錦織の動きが重いことに「見ててつらい」とこぼし、ショットについても「シャープさがないから、いつもよりも伸びていない。重いんです」と万全ではないことを強調。さらに「一番の問題は体力です。海外の選手から〝忍者のように速い〟と言われていたのですが、遅い。全然です」とした。

 錦織は次戦、2年ぶりの出場となる全豪オープン(8日開幕)の1回戦で世界16位のパブロ・カレノブスタ(29=スペイン)と対戦するが、今度こそ再起した姿を見せることができるか。