黒沢清監督(65)が13日、都内で、29年前に監督を務めた映画「地獄の警備員 デジタルリマスター版」の初日舞台あいさつに登壇した。

同作は、1980年代に生まれた映画制作会社ディレクターズ・カンパニーの最後期の作品で、バイオレンスホラー。今回、29年ぶりに、再公開となった。

約30年ぶりの作品の舞台あいさつに「非常に奇妙な感じです。しかし、うれしくもあります。久しぶりに(主演の)クノさんともお会いして、僕の短くはない映画のキャリアの、初期のころにお世話になったというか。この人たちがいたから、僕も続けることができたと改めて考えました」と語った。

同作は、松重豊(58)とクノ真季子(53)のダブル主演。この日、登壇したクノは「今日は恥ずかしくて、本当は断った方がいいと思っていましたが、頑張ってやって参りました」と恐縮した。

当時は2人とも新人だったため、黒沢監督は「まあ本当に、今ではなかなか珍しいですよね。主役2人がほぼ新人だなんて」と振り返った。

そして「2人ともいかにもかっこいい映画だったら良いけど、『地獄の警備員』っていう映画の主役なんて、あまりうれしくなかったと思うんだけど、それでも、よくぞ付き合ってくれたと思いました」と感謝した。