歌舞伎座「二月大歌舞伎」で、中村勘太郎(9)が父勘九郎(39)と「連獅子」に出演中だ。親子の獅子きずな、厳しさ、愛情を描いている舞踊で、勘太郎は仔獅子を演じている。1カ月の本公演、9歳で「連獅子」を演じるのは史上最年少という。

昨年の自粛期間中、勘九郎が稽古を付けた。厳しく教えられたことがよく分かる踊りだった。とても美しく、きりりとしていた。最初は9歳でこんなに! すごい! と思いながら見ていたのだが、すぐに親獅子と仔獅子の物語に没入した。

勘太郎が1人で踊るところでは、勘九郎がじっと見つめる。親獅子の役として、親として、役者として-、いろんな色が表情に見えた。クライマックスの勇壮な毛振りが有名ではあるが、その前段の部分もグッときてしまう。

毛振りももちろんすばらしかった。必ずしも毛振りはシンクロしなくてもいいと思っているが、勘九郎と勘太郎のシンクロ具合はすごかった。本当によく稽古してきたのだなあ、と感じた。

幕が下りてもなかなか拍手が鳴りやまなかった。観客の温かい拍手も力になる。27日の千秋楽まで日々成長していくだろう。