作家の村上春樹氏(72)が14日、都内のTOKYO FMホールで、自身がDJを務めるTOKYO FMの番組「村上 RADIO」のライブイベント「MURAKAMI JAM いけないボサノヴァ」を開催した。

「MURAKAMI JAM」は、村上氏が18年8月にラジオDJに初挑戦した「村上 RADIO」のライブイベント。村上氏の作家人生40周年を記念して19年6月26日に同所で開催して以来、約1年8カ月ぶりの開催となった。村上氏は「こんにちは。村上春樹です。(放送開始から2年半)もう、そんなになるんですね。1回目は手探り状態で、一生懸命やっていたんですけど、2回目なんでテーマを設定した方がいいと思って、ボサノバで」と笑みを浮かべた。

ボサノバについては「初めて聴いたのは64年。『イパネマの娘』がはやったのは高校生の頃で、これはすごいと思って、はまりました」と、その出会いを語った。その上で「60年代に10代を送ったんだけど、音楽的には本当に素晴らしい時代でしたね。ビートルズ、ビーチボーイズ、バート・バカラックがいて、ドアーズがいて、ジミ・ヘンドリックス…もう毎日、スリルの連続みたいな感じ」と、青春時代の音楽との出会いを喜々として語った。そして「60年代って、クリエーティブがバッと噴き出す時期ってあるんですよね。そういう時期に10代を送ることが出来たのは、素晴らしかったです」と笑みを浮かべた。

「村上 RADIO」は、18年8月から19回放送された。加えて、20年大みそかには年越し特番を放送しているが、同氏が配信の形であれ映像に出るのは極めて異例だ。この日のライブは、19年6月のライブに続き、ジャズピアニストの大西順子(53)が音楽監督を務めた。またボサノバの第一人者・小野リサ(58)ギタリスト村治佳織(42)ジャズピアニスト山下洋輔(78)が出演した。

この日は、100席限定で有料入場者を入れたほか、有料で午後7時(日本時間)から全世界にオンライン配信される。有料オンライン配信は、電子チケット販売プラットフォーム「ZAIKO」により21日午後11時59分まで1週間、アーカイブを配信する。また英語字幕付きのオンライン配信も、17日から1週間、行われる。

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