野田秀樹氏(65)の戯曲「パンドラの鐘」が、4月14日~5月4日に、東京芸術劇場シアターイーストで、熊林弘高氏の演出で上演される。15日、発表された。出演は門脇麦、金子大地、松尾諭、柾木玲弥、松下優也、緒川たまきら。

太平洋戦争開戦前夜の長崎と、古代王国の2つの時間軸が交互に物語られる作品で、99年に初演された名作。今回の熊林氏の演出では、1人の俳優が、現代と古代の登場人物を一人二役で演じる。

野田氏は、熊林氏や作品へのエール、期待をコメントした。

「『天上天下唯我独尊』とは、ジーザス・クライストと並び称せられる、あのお釈迦(しゃか)様が生まれた時に発した言葉だ。訳せば「この世に俺ほど尊いやつはいねえぜ」である。聞きようによっては、どんだけ傲慢? な響きを持つ言葉だ。だから案の定、この『唯我独尊』が、お釈迦様以外の口から発せられると、『独りよがり』などと訳されもする。だが、熊林氏の演出を見る時、私がいつも感じる、この人の『唯我独尊ぶり』の訳は、『独りよがり』の方ではなくて『お釈迦様』サイドの方である。つまり『尊い』方の『唯我独尊』訳である。世間だろうがコロナだろうが我関せず、熊林氏ならば、脚本をひたすら深く深く読み込み、自分が信じた通りの世界を創るだろう。熊林氏の『唯我独尊』にどっぷり浸った『パンドラの鐘』は、どんな響きをもって、天上天下に鳴り渡るのだろう。I have been looking forward to listening to it. ちなみにこの日本語訳は『楽しみだ』である。……短い」

滋賀、兵庫、金沢、水戸、名古屋公演も。