作家・池波正太郎氏原作の「鬼平犯科帳」「仕掛人・藤枝梅安」映画化決定製作発表記者会見が12日、都内の帝国ホテルで行われ、「仕掛人・藤枝梅安」主人公の梅安を豊川悦司(58)が演じると発表された。

「藤枝梅安」は72年にTBS系で緒形拳が演じた「必殺仕掛人」など多数の作品が作られている。豊川は「今回、とても、とても大きなキャラクターを池波先生よりお借りすることになりました。身が引き締まると言うか、縮こまる思い。素晴らしい映画をお届け出来るよう誠心誠意、頑張る所存でございます」と抱負を語った。

オファーを受けた当時の思いを聞かれると「僕も本当に驚きました。『えっ、俺が梅安? どうしてだろう』とギャップがあった。緒形拳さんの『必殺仕掛人』に夢中になった時期がある。憧れの人、梅安を自分がやる驚きがあり正直、迷いもあった」と振り返った。その上で「やるしかない。チャレンジすべき仕事を映画の神様がくれた。もう逃げられない。やるしかないなと腹をくくった」と語った。

そして、緒形のドラマ版について「当時のドラマは、大人の裸があり、子どもが見るのに敷居が強かった。緒形さんの半分しか光が当たっていなく。半分、真っ黒…人間の顔はこう見えるのかと。ダークヒーローという言われ方が1つあるけれど、キャラクターを取り巻く光と闇、どの時代でも普遍的エンタテイメントになると感じました」と熱く語った。また、この日のおどろおどろしい衣装について「別な映画が撮れるんじゃないか?」と言い、笑った。

「仕掛人・藤枝梅安」は22年に映画2作を同時撮影し、池波氏の生誕100周年にあたる翌23年2、5月に連続公開の予定だ。