ファンクバンド「シアターブルック」の佐藤タイジ(54)、アーティストの清春(52)が14日、東京・渋谷区の「LOFT9 Shibuya」で行われたトーク&ライブイベント「君ニ問フ Vol.2 コロナ禍音楽業界救済大作戦! ―1兆円をどう使う!?―」に出席した。

 同イベントはアーティスト、ジャーナリスト、スペシャリストたちが、様々な問題について話し合うもの。今回は経済産業省中小企業庁・村上敬亮氏と株式会社ロフトプロジェクト・加藤梅造氏も出席した。

 直近には中小企業庁による、企業の事業再構築に挑戦する事業者のための「事業再構築補助金」制度(3月中に募集開始予定)が打ち出された。簡単に説明すると、条件はあるが「国が補助率3分の2、6000万円まで補助する」(村上氏)という制度。予算は約1兆円が計上されている。

 これを受けて、コロナ禍で苦しむ音楽業界を救う方策について、ラジオDJ・ジョー横溝の司会の下でパネリストが意見を戦わせた。

 佐藤は「密閉された空間でのライブはまだまだ、時間が掛かるでしょう。俺は小規模の野外なら、気がねなくイベントを打てるぞというのがある。それで公園とかにステージがあるじゃないですか? そういうところで定期的にライブできるような仕組みにしたいんですよ。雰囲気をつくっていきたい」と話す。

「そうなると、ライブの役割が変わってくる。これまではライブハウスに狙った音楽を聴きに来るという感じですが、『じいちゃんと孫が一緒に見れる』というものになるし、ライブの場所も確保できるようになって、新しい音楽の伸びしろもできる」(佐藤)

 清春も「野外でやるんだったら、音楽だけじゃなくて、お笑いとか様々なジャンルの人がいたほうがいいよね?」と言うと、会場もうなずいた。

 DX(デジタルトランスフォーメーション)についても話し合われた。「集団で業転(業態転換)しましょう。横でみんなで一緒にやると、良さが出ます。ポストコロナはみんなでDXする良いチャンスです」と村上氏。加藤氏も「ライブハウスは足並みが揃わないんです。でも、もう、揃えなきゃいけない時代」とうなずいた。

 第2部では佐藤&清春の豪華セッションが実現。清春によれば、2人のセッションは「2005年以来? アルバムの楽曲を数曲プロデュースしていただきました」とのこと。

 まずは佐藤が楽曲「朝焼けのHumanity」を披露。その後、清春と井上陽水の「傘がない」、忌野清志郎の「スローバラード」を披露した。会場からも惜しみない拍手が送られた。