全日本プロレスの3冠ヘビー級王座挑戦を控えるヨシタツ(43)が、旧友で総合格闘家の所英男(43)の助言を基に新技「ヨシタツ+(プラス)」シリーズの開発に成功した。

 21日に行われる京都KBSホール大会でヨシタツは、諏訪魔(44)の持つ3冠ヘビー級王座に挑戦する。勝てば自身初の3冠奪取となる大一番を前に、勝ちを確実なものとしたいヨシタツが訪れたのが所の経営する格闘技ジム「リバーサルジム武蔵小杉 所プラス」だった。

 学生時代から親交があるといい「諏訪魔対策を一緒に練ってもらおうと。所なら俺とは違う視点の策が見えるかもしれないし」とその門を叩いた。同じ1977年に岐阜で生まれた2人はプロ野球・中日の話題をしながらウオーミングアップを行い、さっそく練習開始だ。

 焦点はやはり、バックドロップ対策。ともに得意技で「バックドロップ対決だ」と諏訪魔と火花を散らしているが、所は次々にそれを封じる技を提案していく。ジム経営を軌道に乗せた安定の指導をヨシタツもみるみる吸収。プロレス式に昇華させていった。

 最終的にバックドロップの体勢で捕獲されてから投げられる直前に回転体のごとくクルリと回って腕や足を決める技を3パターン開発することに成功。ヨシタツは「対策のつもりで来たら、新技が3つもできてしまった。技の名前は…このジムにちなんで『ヨシタツ+』。3つできたから技の最後に1~3をつけようと思う」と胸を張った。

 最後に「諏訪魔! 3つのうちの1つだけ見せてやる。今から対策をしておけ」と言うと、バックドロップで捕獲された体勢から相手を巻き込むように投げて腕十字固めを決める「ヨシタツ+2」を披露。「バックドロップ対決とは言ったけど、この技があれば向こうのバックドロップを食らうことはないな。一方的にこっちが決める。最後はヨシタツ+で痛めつけてからバックドロップで倒すのもいいな」とご満悦だった。この技で、初戴冠となるか。

 なお、所は「中学のころ、深夜放送でよく3冠の試合を見ていたんですよ。その3冠の戦いに、こうして少しでもかかわることができて光栄です」と恐縮していた。