シンガー・ソングライター谷村新司(72)が、リサイタル「THE SINGER」を4月7日に大阪・フェスティバルホールで開催する。

谷村は大阪出身。「コロナ禍の中でも大阪の人たちは強いなって思うのは、『起きてしまったことはしゃあない』で終わらないのが大阪人。『ほんでどうしよか?』って、ここがたぶん一番大事なところだと思う」と笑顔で語った。

地元での公演に「そんな大阪のエネルギーを一緒にまた確認しあえたらいいな。大阪の町に帰って大阪の人に会えるっていうのは、僕にとってエネルギーのチャージになる」と楽しみな様子だった。

同公演は13年から毎年春に行っており、昨年は新型コロナウイルスの影響で、東京公演は中止、大阪公演も2度の延期を経て、9月に開催。谷村は「今年の春はみなさんに朗報を絶対に伝えたいって、みんなで準備をしてきて、努力をしてきて、やっと整った。あとはみなさんに元気を出して来てもらう。そんな状況までやっと来られたなって感動があります」と喜んだ。

昨夏に発売したソロアルバム「谷村文学選2020~グレイス~」がメインの公演となる。昨年のリサイタルでは実現しなかったオリジナルの構成に加えて、春ならではの曲も披露する。谷村は「スペシャルな時間になると思う」とアピールした。

アルバムタイトル曲「グレイス」を作ったのはコロナ禍の前だが、今の時代により一層響く歌になっている。谷村は「どんな状況になっても、すべてをちゃんと受け入れて、自分が大切だと思うものを大切に生きていこうっていう、覚悟を持つことを歌の中に書いている」と話す。

谷村が楽曲提供した山口百恵さんのヒット曲「いい日旅立ち」、時を経て物語がつながる「いい日旅立ち・西へ」も、谷村は「ひとつの目玉かもしれませんね」とアピールする。「いい日旅立ち」について「百恵さんが引退された後は、自分がちゃんと歌い継いでいくって気持ちを持って歌い続けている歌」と、名曲への思いを語った。

サビの歌詞にも「みんな旅に出られないし、会いたい人に会えない。こういう状況の中で、その言葉が、何か違う特別な響きをまた持ってきたなと、改めて感じていたりする」と話した。

東京公演は4月3~5日、国立劇場。【星名希実】