総合格闘家・所英男(43)が現役続行だ。昨年のRⅠZⅠN大みそか決戦でリオ五輪レスリング男子グレコローマン59キロ級銀メダルの太田忍(27)に勝利。引退も含め今後の去就に注目が集まっていたが、旧友で3冠ヘビー級王座挑戦を控える全日本プロレスのヨシタツ(43)と合同練習を行った18日に、本紙に現役への思いを激白した。今春にRⅠZⅠNで開幕するバンタム級日本GP出場の可能性についても言及したかつての“戦うフリーター”が、健在を証明する。

 3冠ヘビー級王者・諏訪魔(44)への挑戦を控えたヨシタツから岩石落とし対策を請われた所は、持ち前の回転体のような動きで次々と技を伝授。軽やかな動きは指導者としてのみならず、プレーヤーとしての充実ぶりもうかがわせた。

 昨年大みそかの太田戦以来、進退を含めた今後について語っていなかったが「実は、太田忍さんとの試合で動きが苦しかったり、続けるのが厳しいなと思ったらそこまでのつもりだったんです。どこかで引退試合をさせてもらって…」とまさかの告白。しかし結果も内容も伴う試合を展開したことで「勝つことができたんで、また頑張りたいと。あとは試合までの追い込んだりとか、緊張してとか減量してっていうのがすごい楽しかったんですよ。だからやめられないなって」と43歳は引退を回避し、現役続行を決断した。

 一方で、RIZINではバンタム級日本GPの開催が決定。21日の愛知・日本ガイシホール大会の後、今春に1回戦を予定している。2011年に行われた総合格闘技イベント「DREAM」のバンタム級日本トーナメントを制した所は出場選手の有力候補に挙げられるが「DREAMの時はバリバリ若かったですから。今は40過ぎて、若い選手の中で戦うのはどうなんでしょう。現実って厳しいものですよ。記念受験や出オチのようになるわけにいかないですから」と慎重に言葉を選んだ。

 それでも「太田忍さんとの試合で『まだ1、2年できるな』って思いましたし、その感じを繰り返して少しずつ(現役を)延ばしていきたい」と今後に意欲的。さらにヨシタツや、古巣のプロ野球・中日に復帰して再起を目指す福留孝介外野手ら1977年生まれの同級生に感銘を受けているといい「同世代の人たちの頑張りはとにかくうれしいです。自分も、そういうふうになれたら…って思います」と話した。

“戦うフリーター”の戦いはまだまだ続く。次なる舞台は果たして――。