歌謡グループ「内山田洋とクール・ファイブ」の育ての親として知られる、ワクイ音楽事務所社長の和久井保(わくい・たもつ)さんが23日、都内の自宅で亡くなった。84歳。東京都出身。通夜・葬儀は家族葬として行い、後日、お別れの会を開く予定。

妻栄子さんによると、この日午後2時ごろ、自室で座った格好のまま心肺停止の状態でいるのが見つかった。救急車で都内の病院に運ばれたが、そのまま帰らぬ人となった。

この日、午前中はいつも通りに元気な姿を見せ、知人と電話もしていただけに「苦しむこともなく穏やかな表情でした。この年まで好きな仕事ができて、多くの人に愛されて、幸せな人生だったと思います」と仕事一筋に生きた夫の急死をしのんだ。

栄子さんらによると、和久井さんは早大卒後、大手芸能事務所「渡辺プロダクション」の大卒採用の1期生として入社。「内山田洋とクール・ファイブ」のマネジャーなどを担当した。「クール・ファイブ」が、のれん分けの形で事務所から独立をする際に一緒の道を歩んだ。

前川清(72)は「最近もお元気だったので、突然の訃報に驚いています。和久井さんにはクール・ファイブのメンバーと共に、仲間としてスタートから支えてもらい大変お世話になりました。普段はワーワーとにぎやかな人でしたが、周りに迷惑を掛ける事が大嫌いな人で、以前から死ぬ時はスッといなくなるからと話していました。本当にその通りになって、和久井さんらしいなと思いますが残念でたまりません。今、何を思い出しても感謝の気持ちしか出てきません。今まで本当にありがとうございます。心よりご冥福をお祈りいたします」とコメントした。

クール・ファイブのメンバーも「1969年『長崎は今日も雨だった』でメジャーデビューして渡辺プロダクション所属の時代から今日までクール・ファイブがあるのは和久井社長のおかげです。大変に大変にお世話になりました。ありがとうございました。寂しいです。ご冥福をお祈りします」としのんだ。