別府競輪のべっぷ湧くわくナイター「第2回三洋産業杯」(FⅠ)は最終日の31日に11RでA級1、2班戦、12RでS級の各決勝戦が行われる。A級は2場所連続完全Vに王手をかけた117期の新人・桜井祐太郎(21=宮城)、S級は中川誠一郎(41=熊本)が快速まくりで今期2Vを達成するとみたが、狙ってみたいのはS級初Vを目指す117期の大型新人・菊池岳仁(20=長野)だ。

 別府名物の強風が吹き荒れたセミファイナル第1弾の10R、成田和也(42=福島)と組んだ作戦がズバリ決まった。正攻法に構えた菊池は竹内翼(29=広島)―戸田洋平(37=岡山)を出させた3番手インで平尾一晃(24=長崎)と並走。シビレを切らした平尾が鐘4角でスパートして飛び出し、菊池は単独の5番手でHS通過。最終1角から満を持しての仕掛けで前団をひとのみ。ラストは成田とのマッチレースになったが、写真判定の結果、振り切り1着で優出一番乗りを果たした。初体験の強風に打ち勝った117期の新鋭は「バックは苦しかったけど、最後まで踏めたと思います」と満足顔で振り返った。

 逃げ快勝した初日が終わってから、さらなる上積みを狙って、セッティングを調整した。「サドル周りをいじったんですが、ハマった気がします」とニッコリ。現時点では最高の仕上がりでファイナルバトルに臨める。

 決勝は浮きゴマの選手はいるが、大きく分ければ中川との二分戦。まくり主戦の相手だけにペースを乱されることなく、力を存分に発揮できる。同じ関東の池田勇人(35=埼玉)も徹底ガードで菊池のサポートを約束している。「自力でいい競走ができるように…」。117期では寺崎浩平(27=福井)、山口拳矢(25=岐阜)、町田太我(20=広島)に続いて4人目となるS級優勝へ向けて、風を引き裂いていく覚悟だ。