【志賀貢 男の羅針盤】100年に一度の大流行といわれる新型コロナウイルスの感染症の猛威が止まりません。既に、パンデミックを引き起こしてから1年半になろうとしていますが、仕事に出ている人は、文字通り命がけの日々を送っていることでしょう。

 この苦難の時代を乗り切るために、男性にとって最高の「三種の神器」があります。それは、熱燗の酒、酒の肴は刺身、そして愛。この3つを大切にして耐え忍べば、必ずやコロナに打ち勝てるはずです。

 本来のことわざは『酒は燗、肴は刺身、酌は髱』です。まず、晩酌の酒は熱燗に限る。これは今も昔も変わらず、ストレス渦巻く環境から帰宅した時は、熱燗の酒が最適です。酒の肴は、たんぱく質たっぷりの刺身が一番。胃や腸にやさしく、酒の吸収をまろやかにしてくれるからです。3つ目は、盃を傾ける時は、タボ(髱)といわれる髪型の若い女性の酌に限るという意味ですが、その最後の言葉を「愛」という言葉に置き換えてみました。温かい家族のぬくもりの中で飲む酒は、ストレスに打ち勝つ特効薬になるに違いありません。

 ご挨拶が遅れましたが、この度、連載記事を書くことになりました。もう40年以上、聴診器とペンの両刀使いで、多くの記事や書籍を書いてきましたから、あるいはお読みいただいているかもしれません。中高年の男性の方々からは、いろいろな体の相談も受けてきました。また、年齢とともにトラブルが発生しがちな性の問題についても、カウンセリングをしたり、あるいは専門的なアドバイスを、雑誌やテレビ、ラジオでお伝えしてきました。

 今回は、50年以上に及ぶ臨床経験と、最新の健康や性に関する知識を駆使して、世の男性諸君が、コロナ時代を生き抜くための情報を提供しようと思っています。
 それにしても、医者の私自身が、こんな強敵のウイルスと戦うなどとは夢にも思っていませんでした。しかし、医学の進歩で、必ずや読者の健康長寿が実現できると信じています。一緒にその最新の対策を考えてみることにしましょう。

 ☆しが・みつぐ 北海道生まれ。医学博士。昭和大学医学部大学院博士課程を卒業。臨床医として診療を行うこと50年超、現在も現役医師として日々患者さんに接している。文筆活動においてもベストセラー多数。性科学の第一人者にして、近年は高齢者の臨終や性に関しても健筆をふるう。美空ひばり「美幌峠」「恋港」などの作詞も手掛けた。