宝塚音楽学校の109期生入学式が16日、兵庫県宝塚市の同校で行われ、40人が夢へ第1歩を踏み出した。

新入生総代であいさつした南平友里愛(なんぺい・ゆりあ)さんは、静岡出身。同郷の大先輩で前花組トップ明日海りおにあこがれ、男役志望だといい「どんな役でも演じられるよう、常に努力し、魅力的な演技でお客様に感動をお届けできるような男役になりたい」と目を輝かせた。

コロナ禍での開催には「本日このように入学式を迎えられましたことに感謝の気持ちでいっぱいです」。伝統ある宝塚の世界で「宝塚歌劇への夢を追いかけることができることを幸せに思う気持ちとともに、舞台人となる覚悟の気持ちが高まり、身の引き締まる思い」とも語った。

今年も、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、関係者も含め参加人数を絞り、保護者は「入学生1人につき2人まで」。出席者には検温、手指消毒を徹底し、入学生、在校生ともにPCR検査を受けて出席した。君が代や校歌などの斉唱は取りやめ、事前収録した音源を使用。在校生から入学生への校章バッジの贈呈といった入学式後のセレモニーも中止するなど、対策を練り、例年通りに同校講堂で実施された。

昨年入学の108期生は、戦後初の臨時休校を経て、6月に約2カ月遅れで、場所も宝塚大劇場敷地内ロビーへ移して入学式に臨んでいた。

4月から就任した中西達也新校長は「華やかな宝塚歌劇を支える舞台人としての実技や心構えをしっかり習得するとともに、校訓『清く 正しく 美しく』の教えに基づき、1人の女性として、良き社会人となれるよう一生懸命努力し、同期生の強い絆のもと、2年後には皆さんが宝塚歌劇団に入団し、大いに活躍されることを期待しています」と式辞を述べた。

入学式を終えた109期生は予科、本科と2年にわたり、歌、和洋のダンス、芝居や、タカラジェンヌとしての心がけ、素養などを学び、再来年の宝塚歌劇団入団を目指す。