体操の東京五輪代表選考会を兼ねた全日本選手権(群馬・高崎アリーナ)は17日、女子個人総合の決勝が行われ、村上茉愛(24=日体クラブ)が合計112・564点で2年連続5度目の優勝。代表入りへ好発進となった。

 大会前日の14日、村上は「19年の全日本で優勝できなくて、自分はそこから時が止まっている感覚」と話していた。新型コロナ禍で五輪開催が1年延期。その後は代表選考とは関係ない昨年12月の全日本選手権で頂点に立っても〝時計の針〟は動かなかったようだ。

 村上はこの日、自身にとっての〝空白の期間〟について「(昨年は)やっぱり試合の回数が少なかったので、試合をした感じがしないというか、感覚を忘れかけている部分があった」と振り返った。また、腰痛から復帰したとはいえ「実際に代表も入っていないから自分が強くなっているのか、(昨年の)全日本もたまたま優勝したんじゃないか」とネガティブになったことも明かした。

 それでも、大舞台に向けて女王の座を譲らなかった村上。時間はかかったが「いいスタートが切れたかな」と話す表情は明るかった。