先日、連載枠「日曜日のヒロイン」でテレビ朝日の三谷紬(みたに・つむぎ)アナウンサー(27)取材した。竹を割ったようなキャラクターで、物事を包み隠さず話す“開けっぴろげ感”が面白い。意外だったのが過去のファッション事情で、アナウンサーを志す前の大学時代は「ギャルだった」という。

当時の三谷アナは古着に髪は金髪で、本人いわく「仲里依紗さんみたいな雰囲気の。青文字系だったんです」(「CanCam」「JJ」「Ray」などの雑誌ロゴが赤色だったことから、コンサバ系きれいめファッションを「赤文字系」、対するカジュアル系個性派ファッションを「青文字系」と呼んだ)。アナウンサーのファッション=「清楚(せいそ)」「きれいめ」だと思っていたので、これは思わぬ過去だった。

服装の路線変更は、希望するゼミに入るためだったという。本人はサッカーに関わるメディアへの就職を考えていたが、担当教授は「そのしゃべり方と声はアナウンサーに向いてるよ」と推薦。同時にイメチェンも求められ「先生が『君、ヤンキーみたいだね』って(笑い)。『このゼミに入りたいなら髪を黒に、コンサバファッションに変えなさい。このゼミに来る時だけはそうすると約束するんだったら、入ゼミさせてあげる』」と言われたという。三谷アナは「まずは見た目からって、ハア~!? って思ったんですけど」と率直に語りつつ、「しょうがないので週に1回だけ」と自分を納得させたという。

急ぎ母親にそろえてもらった3着を着回していたが、次第に「慣れてきたんです、不思議と」。自分でもコンサバ系の洋服を探すようになり「青文字はデザインが人と被らない良さがあると思ってたんですけど、赤文字の中にも凝ったかわいいものがある。そうしたらだんだん着るようになりました」と振り返った。

本物のアナウンサーになった今は「衣装じゃなくて自分の服を着なきゃいけない仕事もあるので、両方使える無難なものを。で、ちょっとデザイン性の高いものを選んでるんです」とのこと。アナウンサーを目指したきっかけを聞いた流れだったが、意外なファッションの変遷に驚いた。

個人的には、古着に金髪の三谷アナもちょっと見てみたい。【遠藤尚子】