第93回アカデミー賞で、史上最高齢の83歳で主演男優賞を獲得した「ファーザー」のアンソニー・ホプキンスは、米ロサンゼルスで25日(現地時間)に開催された授賞式に姿を見せなかったことが話題となったが、当時、生まれ故郷の英ウェールズにいたことが判明した。ホプキンスは26日に同地からコメントを発表し「おはようございます。生まれ故郷のウェールズに来ています。83歳という年齢になってこのような賞を受賞するとは全く思ってもみませんでした。アカデミーに感謝を申し上げます」と感謝した。

91年「羊たちの沈黙」以来30年ぶり2度目の主演男優賞の受賞となったが、本命視されていたのは20年8月に大腸がんで43歳の若さで亡くなり、遺作「マ・レイニーのブラックボトム」でノミネートされたチャドウィック・ボーズマンさんだった。授賞式が近くなり、認知症の老人を生々しく演じたホプキンスの評価が高まったものの、死後のノミネート例が7人目で、受賞した場合、08年「ダークナイト」で助演男優賞を受賞したヒース・レジャーさん以来の快挙になる、ボーズマンさんの受賞は当確とみられていた。

ホプキンスは「あまりにも早くこの世を去ってしまったチャドウィック・ボーズマンにこの賞をささげます。ありがとうございます。本当に予想外でした。とても光栄で名誉なことと思います」とボーズマンさんへの思いを口にした。