フランス2部トロワの元韓国代表FW石現俊(ソク・ヒョンジュン=29)が兵役逃れとみられる帰化申請を強行し、大きな波紋が広がっている。

 石は韓国で義務づけられている28歳までの兵役を無視。韓国メディア「OSEN」によると「彼は国外旅行許可を受けた後、満28歳だった昨年4月1日の前に帰国しなければならなかったが、これを履行せず欧州にとどまって兵役法94条(国外旅行許可義務)違反の疑いを受けており、同容疑で刑事告発されている」と〝犯罪者〟として当局は告発。業を煮やした兵務庁が4月28日に石のパスポートを失効させる措置に打って出た。

 これで事態は収束するかと思いきや、石はまさかの行動を起こす。フランス誌「レゼクレール」が「石はフランスへの帰化申請を真剣に考え、すでに手続きに入った。弁護士は過去に兵役を回避する罪を犯したスポーツ選手や芸能人のケースを調べ上げ、フランスへの帰化を決断した」と石のフランス帰化計画を報じたのだ。

 石は2017年8月からフランスに居住しており申請条件をクリア。帰化が認められるには5年間の居住が条件となるため来夏の同国籍取得を目指して申請を開始した。クラブとの契約も来夏まで残っているため、フランスへ帰化して兵役からの〝逃げきり〟を狙っているのだ。

 同誌は今後の問題点として「フランス語の会話や読解が大きな障害となる」と指摘しているが、すでに猛勉強を開始しており石側は問題ないとしている。またパスポートの失効も韓国兵務庁が勝手に行っているとして訴訟を行う可能性があり、時間稼ぎをしながら帰化完了をもくろんでいるようだ。

 石の帰化騒動で今後、各方面に大きな影響が出てくる。今回の兵役逃れが成功すれば、サッカー選手などアスリートが国を捨てて世界各国で帰化を目指す動きが出てきてもおかしくない。在日韓国人が多くコミュニティーもある日本に帰化しようとする選手も出てくることが予想され、日本にとっても対岸の火事とは言えないだろう。

 石の〝亡命〟がどのような結末を迎えるのか今後の展開から目が離せない。