バレーボール女子日本代表の中田久美監督(55)が13日、オンライン取材に応じ、複雑な心境を口にした。

 国際オリンピック委員会(IOC)は、東京五輪・パラリンピックに参加する各国、地域の選手団に向け、米製薬会社大手ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンを無償で提供すると発表。この件について質問が及ぶと「義務でなければ選手に強要するのは難しい。ワクチンが五輪選手優先とのことだが、それが本当にいつ現実となるのかちょっとイメージがつかない。具体的にお答えするのは難しい」と困惑の表情を浮かべた。

 世間では、アスリートへのワクチン接種を巡り、一部から「上級国民だ」などと批判の声が勃発。さらに、開催を危惧する声も聞かれており、SNS上では競泳女子の池江璃花子(20=ルネサンス)ら、アスリートを誹謗中傷するコメントが複数寄せられている。

 中田監督は「個人的な意見だが、選手のことを思うと開催してもらいたい」と話した一方で「感染者数がここまでの数字に下がれば開催されるとか、下がらなければできないといったような数字的な線引きをもう少し明確にしてもらいたい」と苦言を呈した。