吉永小百合(76)の122本目の映画「いのちの停車場」(成島出監督)製作、配給の東映は28日、東京都が同日夜、緊急事態宣言の再延長を受けて映画館に出していた独自の休業要請を6月1日以降、緩和すると決定したことを受けて、同日に東京・丸の内TOEIで観客を入れての舞台あいさつを行うと発表した。

吉永は22日に東京・丸の内TOEIで行われ、全国259館に配信された公開記念舞台あいさつの壇上で「演劇は大丈夫だけど、映画はダメとうかがって大変ショックを受けましたし悲しかった。くじけそうになった」と発言。12日以降、劇場や演芸場は人数上限5000人かつ収容率50%、午後9時までの条件で休業要請を緩和したのに対し、映画館に休業要請を求め続けた、東京都独自の休業要請に疑問を呈した。

都が28日夜に決定した緩和の内容は、劇場や演芸場に認めたものと同じで、都内の映画館は6月1日以降、午後9時までの時短だが営業が可能になった。吉永が22日の舞台あいさつの壇上で「きっと…きっと、日本中の皆さんに、映画をご覧頂けると思っております」と願った声が、かなうことになる。

吉永は劇中で、大学病院の救命救急医だったが、とある事情で石川県の実家へ戻り、在宅医療を行う「まほろば診療所」に勤務する白石咲和子を演じた。咲和子の背中を追い、診療所で働く元大学病院事務員・野呂聖二を松坂桃李(32)、診療所を支え続けてきた訪問看護師の星野麻世を広瀬すず(22)が演じた。

従来の吉永のファン層に加え、コロナ禍の世相の中、医療や生きることをテーマにした作品性もあり30、40代、そして松坂や広瀬が目当ての若年層と、幅広い層の客層を取り込んでいるといい、公開初週の興行収入(興収)動員ともに1位となった。興収は1億7968万1920円、動員16万1132人を記録。週末22、23日は興収1億4844万7440円、動員13万4643人を記録した。

6月1日の舞台あいさつには、吉永と広瀬のほか田中泯(76)も登壇の予定だ。