世界的アーティスト葛飾北斎の生涯を描いた映画「HOKUSAI」(橋本一監督)が28日に劇場公開されこのほど、主演の柳楽優弥(31)と玉木宏(41)瀧本美織(29)がオンライントークイベントを行った。MCは映画プレゼンターの赤ペン瀧川が務めた。

今作で、柳楽は北斎の青年期を、玉木は喜多川歌麿を、瀧本は北斎の妻コトを演じた。

オンラインイベントでは、まず、瀧川が「謎多き絵師・葛飾北斎」「レジェンド絵師大集合」「歩み続けた男の一生」などのワードを使って映画を紹介した。柳楽は「最高でした! 聞きやすくて改めて映画の魅力を感じた」、玉木は「補足なし!」、瀧本は「まるで1本の映画をみた気分!あ…それじゃダメか。皆さん映画をみてください!」と天然コメントで笑わせた。

また、キャスト陣それぞれがお気に入りの場面を紹介するコーナーでは、柳楽は老年期の北斎(田中泯)が、青い絵の具を手に雨中で舞う北斎ブルーが生まれたシーンを挙げ、「北斎がようやくこの色に出会えたという喜びがダンスを交えて表現されているのはさすが」と一発本番で捉えられた田中の表現力を絶賛。玉木も「見入ってしまうパワーを感じる」とたじろぎ、瀧本も「身震いしました。気迫がスゴイ」と目を丸くしていた。

青年期の北斎(柳楽)が、絵を描く意味を見いださずにもがき苦しみ、海に飛び入り生死の淵までたどり着いた後に、自分らしさを見いだして波打ち際で砂に絵を描くシーンをピックアップしたのは玉木。このシーンに柳楽は「最初に監督が率先して海に入ってくれて、その背中をキャストとスタッフがぽつんと見ていた。その瞬間に現場が団結した気がする」と回想。瀧本も「私もこのシーンはお気に入りです」と明かした。

コトが青年期の北斎に子供を身ごもったことを告げるシーンをおススメに挙げた瀧本は、柳楽とのキスシーンもあることから「自分で選んでおきながら…恥ずかしい!」と赤面も「でもすごくいいシーン」と自信たっぷりにコメントを寄せた。ちなみにこのキスシーンは瀧本いわく「当初は台本にはなくて、撮影地の京都に着いた当日に監督と話し合って生れました」と舞台裏を紹介した。その相手役となった柳楽は「このシーンには女性の強さを感じる。今の時代でも共感できる場面だと思います」と納得していた。

柳楽は北斎について「僕にとって北斎は憧れのアーティスト。圧倒的であり、アーティストの鏡のような人物。大尊敬。僕に勝てるところは何もない!」とリスペクト。一方、北斎のライバルである歌麿を演じた玉木は「まさか歌麿を演じる機会があるとは…」と有名絵師役抜てきに驚きながらも「女性を描くことを得意としていた人なので、濡れ場に近いような気持ちで演じたところもある」と撮影時の心境を打ち明けた。