中村勘九郎(39)中村七之助(38)尾上松也(36)らが出演する「信州・まつもと大歌舞伎」の「夏祭浪花鑑」(17~20日、長野県・まつもと市民芸術館)のオンライン生配信が決まり、このほど勘九郎が取材に応じた。まつもと大歌舞伎の生配信は初。20日午後3時開演の回。

「夏祭-」は5月に渋谷で開催されたコクーン歌舞伎で上演されたが、緊急事態宣言発出により10公演が中止になった。行けなかった人、宣言下の東京に行くことをためらった人の思いに応えたいと配信が決まった。勘九郎は「多くのお声をいただき、その方々にお届けするのは配信が一番いい」と話した。

勘九郎と七之助、2人の父勘三郎さんにとって、松本市は縁の深い場所。勘三郎さんは08年の第1回「まつもと大歌舞伎」から出演し、最後に舞台に立ったのも同大歌舞伎。勘九郎も何度も同市での公演に出演してきた。今回次男長三郎(8)が初登場する。勘九郎は「松本は街ぐるみで迎えてくれる。応援してもらっているありがたさを感じてほしい」と話す。

勘九郎は昨年7月に初めて配信公演に取り組んだ。当初は後ろ向きだったそうだが、「父も積極的にやっていたかも」と想像する。今では「夢が広がります。パルテノン神殿の前で『白浪五人男』をやってみたい」と語るほどに。今度は松本から熱気を届ける。

 

◆信州・まつもと大歌舞伎の歴史

▼08年7月 平成中村座「夏祭浪花鑑」

▼10年7月 平成中村座「佐倉義民傳」

▼12年7月 「天日坊」

▼14年7月 「三人吉三」

▼16年7月 「四谷怪談」

▼18年6月 「切られの与三」

▼21年6月 「夏祭浪花鑑」