ノアは創設者・故三沢光晴さん(享年46)の命日である13日、ノア特設アリーナで「三沢光晴メモリアル2021」(無観衆試合)を行い、メインではGHCヘビー級王者の丸藤正道(41)、同ジュニアヘビー級王者の小峠篤司組(35)と、GHCナショナル王者の杉浦貴(51)、同ジュニアタッグ王者の原田大輔(34)組が激突。丸藤が杉浦のフロントネックロックにギブアップする波乱の結末となった。

 丸藤は6日の4団体合同興行「サイバーフェスティバル」(さいたまスーパーアリーナ)でプロレスリングマスターこと武藤敬司(58)から王座を約5年半ぶりに奪回。この日が王者として初のリングとなった。

 新王者に敵意むき出しの杉浦は顔面に蹴りからスピアーを叩き込む。丸藤もトラ―スキック連打で反撃。杉浦も譲らず俵返しから五輪予選弾を狙うも、丸藤も不知火から猛虎ドライバー、トラースキックからのパーフェクトキーロックに出るが、杉浦も強引なブロントネックロック。互いに一歩も引かない激闘は33分を超え、最後は杉浦がフロントネックロックでギブアップを奪った。

 試合後、杉浦は「この状況、分かるよね? 俺は丸藤正道が持っているGHCヘビー級のベルトが欲しい。よろしく。以上!」と堂々と挑戦を表明した。

 受けた丸藤はうなだれつつ「いつもこうだ…。(杉浦は)横にいるかと思えば主役を奪おうとする。いいよ。(初防衛戦で)最初にやって勢いをつけさせてもらう!」と受諾。GHC王者とナショナル王者の激突が決定的となった。

 さらに丸藤はこの日が三沢さんの命日であることを問われると「自分らの口からは言わないけれど、若い連中は何かが足りない。足りないものを持っている俺たち(自分と杉浦)が今、チャンピオン。そういうことなんじゃないか」と故人から直接三沢イズムを継承した世代の強さを改めて強調しつつ、生え抜き同士の王者対決となる初防衛戦に向け、闘志を高めていた。