元モーニング娘。の高橋愛(34)田中れいな(31)と、Berryz工房夏焼雅(28)のスペシャルユニット「たいやきたべたのなんで?」が20日、都内で開かれた所属事務所主催のコンサートでお披露目された。

同ユニットは、76年にリリースされた名曲「およげ!たいやきくん」カバーのために結成。「たいやき」「たべたの」「なんで?」がそれぞれ「高橋」「田中」「夏焼」の頭文字にリンクして名付けられている。ハロー!プロジェクトOGで歌唱力に定評のある3人が、この日のコンサートで同曲を初披露した。

正体を隠したまま、5月末から同曲が有線放送で流れ、ラジオ番組で選曲されるなどし、一部のファンの間では歌声から3人の名前がうわさされていた。コンサート前に取材に応じた田中は「声で私たちってわかってもらえるのはすごくうれしい」と喜び、高橋は「みんな(の反応)がどうなるんだろうって楽しみ。私たちも動揺しないかっていうのもある。思い切ってパフォーマンスしたい」。

夏焼は「この曲に振り付けがつくことは新鮮。この3人で歌うことも今まで無かったので、声のバランスとか楽しんでもらえれば」と呼び掛けた。

ステージで3人は、たいやきになりきり、泳ぐような振り付け「泳げダンス」を披露。田中は「全部しっかり踊っていますから。『こんな踊るったい』って」と本格的な振り付けに方言を交えて驚きつつ「お客さんにもマネしていただけたら」。

「およげ!たいやきくん」は3人が生まれる前に大ヒットした楽曲だが、コロナ禍の鬱屈(うっくつ)とした情勢と、たいやきの境遇を重ね合わせて歌った。田中は「『毎日僕らは鉄板の上で焼かれて嫌になっちゃう』という歌詞がリンクしているから、今改めて、知っている人も知らない方も、聴いてもらって『あ、わかる!』って思ってもらえる曲なんじゃないかな」と推測した。

高橋は「歌っていて悲しくなっちゃったんですよね。最後食べられちゃうじゃないですか」と曲の印象を語り「めっちゃかわいそうって思うんですけど、悲しく歌っているのではないというのが私たちだと思います。楽しくハッピーにというより、悲しいだけじゃない。コミカルなものが見せれればなと」と新たな像を作り出すことをイメージした。

ミュージックビデオ(MV)も配信された。3人が顔だけでたいやきになりきって鉄板から飛び出し、大海をさまようストーリーになっている。田中は「顔芸です」と笑わせたが、夏焼は「子どもも大人も楽しめる感じになっています。子どもが見てもちゃんとストーリーがわかる作品にはなっていると思います」と胸を張った。

高橋は「とにかく内容は深いんですけど、ハッピーになってもらいたいっていうのがベースになります。見てもらって『何これ、ウケる!』みたいな。ちょっと日常を忘れてファンタジーみたいに思っていただければ」と呼び掛けた。

現在、コミック要素のある楽曲を制作中で、次作の準備が進んでいる。